上手な会社のつぶし方

 創業30年で99%の会社は倒産するとのデータがあります。残酷すぎる商いの世界。少しでも倒産という死神をさけるため、あえて「上手な会社のつぶし方」を研究します 

上手な会社のつぶし方 その①

【出る杭をうて】

 

鬼10則」と「裏10則」

単体では世界最大の広告代理店である「電通」には4代目社長吉田秀雄によって1951年につくられた電通社員、通称「電通マン」の行動規範とも言える「鬼十則」と呼ばれる非常に有名な言葉があります。いわく、

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。


というもの。これは割とよく知られているのですが、その逆バージョンである電通「裏十則」というものもあったようです。

詳細は以下の通り。
裏十則 | Blog | nozomu.net - 吉田望事務所 -

1)仕事は自ら創るな。みんなでつぶされる。

2)仕事は先手先手と働きかけていくな。疲れるだけだ。

3)大きな仕事と取り組むな。大きな仕事は己に責任ばかりふりかかる。

4)難しい仕事を狙うな。これを成し遂げようとしても誰も助けてくれない。

5)取り組んだらすぐ放せ。馬鹿にされても放せ、火傷をする前に…。

6)周囲を引きずり回すな。引きずっている間に、いつの間にか皆の鼻つまみ者になる。

7)計画を持つな。長期の計画を持つと、怒りと苛立ちと、そして空しい失望と倦怠が生まれる。

8)自信を持つな。自信を持つから君の仕事は煙たがられ嫌がられ、そしてついには誰からも相手にされなくなる。

9)頭は常に全回転。八方に気を配って、一分の真実も語ってはならぬ。ゴマスリとはそのようなものだ。

10)摩擦を恐れよ。摩擦はトラブルの母、減点の肥料だ。でないと君は築地のドンキホーテになる。

 

 

実際に企業に入って働くのであれば、むしろ日本社会においてはこの「裏十則」の方が「ウンウン、あるある」と納得できるのではないでしょうか。サラリーマンにとっては必須とも思える処世術。しかし、その処世術も行き過ぎれば、会社を停滞させる原因にもなりえます。

 

「電通10則」は、出る杭になれ!とのメッセージである一方、「電通裏10則」は、出る杭にならない?処世術であることがわかります。人は3人いれば派閥ができると言われる生き物。とくに和を乱すイケイケの社員さんは煙たがられるのは必須です。問題の本質は、そんな異分子を組織のなかで、育てられるか?という点なのかもしれません。

 

  

上手な会社のつぶし方 その②

会社の会議を長くしろ! 

 

 

どんな簡単な問題も、会議を3回へれば、誰も解けない難問となる」(マーフィーの法則より)

 ネットで、組織をダメにさせるCIA直伝の「サボり方ガイド」が登場し話題になっています。内容が面白すぎるのと同時に、自分の会社に当てはめると背筋がぞっとする内容です(*_*)

 

(参照:ネタリカ  ― 週刊SPA!連載「ドン・キホーテのピアス」<文/鴻上尚史>

http://netallica.yahoo.co.jp/news/20151126-91538065-aspa

 

組織をダメにさせるCIA「サボり方ガイド」

渡辺千賀さんという人の、ものすごく素敵なブログを見つけました。そこで紹介されていたのは、第二次世界大戦時のCIAの秘密資料で、その名も『Simple Sabotage Field Manual』(和訳:「簡単なサボタージュの方法」)つまりは、「敵国内のスパイが、組織の生産性を落とすためにどのような『サボり』ができるか、という『サボり方ガイド』」です。

 

スパイの仕事は、情報を盗むだけにあらず、ときには組織の奥深くに入り込み、相手にバレないように、組織をダメにすることもあるそうです。もしかしたら、あなたの会社にもいるかも!?

 

.「注意深さ」を促す

   →迅速に物事を進めると先々問題が発生するので賢明な判断をすべき、と「道理をわきまえた人」の振りをする。 

2、可能な限り案件は委員会で検討

    →委員会はなるべく大きくすることとする。最低でも5人以上。 

3、何事も指揮命令系統を厳格に守る

    →意思決定を早めるための「抜け道」を決して許さない。 

4、会社内での組織的位置付けにこだわる

    →これからしようとすることが、本当にその組織の権限内なのか、より上層部の決断を仰がなくてよいのか、といった疑問点を常に指摘する。 

5、前回の会議で決まったことを蒸し返して再討議を促す。

 

6、文書は細かな言葉尻にこだわる。

    →重要でないものの完璧な仕上がりにこだわる。 

7、重要な業務があっても会議を実施する。

    ⇒なるべくペーパーワークを増やす

8、業務の承認手続きをなるべく複雑にする。

   →1人で承認できる事項でも3人の承認を必須にする。 

9、全ての規則を厳格に適用する。

 

……というようなものです。どうですか? これが、CIAが、「敵国の組織をダメにするために実行しろ!」と定めたマニュアルの一部のはずですが、なぜか、御社の業務に重なるところはないでしょうか!?

 

あなたの会社にもスパイがいる!?

今、日本でこのマニュアルに当てはまらない組織は本当に少ないと思います。大企業やお役所になればなるほど、ずっぽりとこのサボタージュ・マニュアルを実行しているはずです。 大企業なら、みんな真剣に「注意深さを促す」ことや「業務の承認手続きをなるべく複雑にすること」に執着している気もします。しかも、「よかれ」と思って、会社(組織)をダメにしている点に、スパイの妙味があるのではないでしょうか?

 

 

上手な会社のつぶし方 その③

従業員のやる気を奪え

 

社員を踊らせて、ハシゴをはずす・・・

一時は、小売業として、年商1位にもなった、ダイエーは、バブル崩壊と共に、経営破たんに陥りました。しかしその原因は、「景気」だけにあらず。理由の1つに、中内オーナーのワンマンぶりが挙げられます。 員の証言として以下のような事例があったそうです。

 

「どうかもう一度、オレを男にしてくれ。みんなでオレを助けてくれ」。中内氏は19832月期の連結決算で初めて65億円の赤字に転落することが明らかになったとき、東京・浜松町オフィスの14階会議室に集めた幹部社員の前で、床に頭をこすりつけて号泣した。ここから、河島博・副社長を総指揮官とする「V革作戦」が始まる。ダイエーを手術するため、中内氏は当時日本楽器製造(現ヤマハ)社長だった河島氏をスカウトしてきた。  V革ではまず、百貨店事業の撤退に着手した。「過去の『ワンマン中内』を知る人には信じられないだろうが、私はこのとき、計画の立案から実行までのすべてを若手に任せた。  

 

在庫管理を徹底して3年後の862月期決算では連結利益を黒字転換に成功。V革が成功すると中内氏は第一線に復帰し、ダイエーは元の中内商店に戻った。しかし、改革の立役者・河島氏は、当時子会社となっていたミシン製造会社リッカーの社長に飛ばされることになったのです。そして中内氏がやったことは、長男の潤氏を31歳の若さでダイエー本体の専務に抜擢することでした・・・。「自らの復権と長男・潤を社長にするためのレールづくりに腐心した。これがダイエーが解体される元凶となった」と元役員は証言しています 

 

従業員さん、幹部さん、こんなやり方では、働く意欲がわくわけがない((+_+)) あなたの会社でも、「まかせる」っと言われたのに、クチは出してくるし、最終的に責任もとらない上司っていないでしょうか? 逆をいえば、「まかせた」うえで、責任をとれるボスが、かっこいいボスといえるでしょう

 

政界のボス、故・田中角栄はこんなことをいっています

私は小学校高等科の卒業である。しかし、いささか仕事のコツはしっている。われと思わん者は、遠慮なく大臣室へ来てくれ。上司の許可は要らない。何でも言ってくれ。できることはやる。できないことはやらない。すべての責任は、この田中角栄がとる。以上

 

反対をいえば、部下を信じず、責任はおしつける。それが従業員のやる気を奪う上手な会社のつぶし方です^^; 

  

 

上手な会社のつぶし方 その

ビジョンを示すな!

 

 

 

経営の神様とビジョンのお話し

松下電器(現パナソニック)の創業者・松下幸之助さんが生涯つらぬいた哲学が、「水道哲学」です。

 

 

 

幸之助曰く、

われわれ産業人の使命も、水道の水のように物資を無尽蔵たらしめ、いかに貴重なものでも量を多く生産し、無代に等しい価格で世間に提供することである。これによって貧乏を追放し、人々に幸福をもたらし、この世に浄土を建設する、これが松下電器(後にパナソニックに改称)の真の使命である」。 

家訓二スト意訳:じゃんじゃん作って、じゃんじゃん売れば、結果みんなが幸せになる

 

創業者の死というリスクをどう乗り切るか?

偉大なる創業者の死というのものは、どの会社にも起こります。 遺された経営者は引き継ぐものは、売上なのか?想いなのか?という課題です。 「事業」を引き継ぐ経営者は多くても、「哲学」を引き継げない後継者が多いのではないのでしょうか?古くから日本の老舗企業では、事業継承のリスクを減らすため、「社訓」というツールが 用いられています。これは、昭和、平成になっても同じことが言えそうです 

大きな売り上げがあると、その売り上げを守ることは当然のこと・・・と思いがちです。しかし、「常識」と思われる選択の中にこそ、創業者なきあとの罠がまっています。松下幸之助さんは、「世界文化の寄興」を目的とし、その手法として、電器を使っているにすぎません。目的と手法の取り間違えが、創業者から、後継者への引継ぎの中で一番難しい点なのかもしれません。

 

幸之助の死後、パナソニックがとった施策はまさに哲学なき迷走に落ち込んでいきます。そして近年、経営危機の報道にまで至りました。後継の経営者達が、「常識」と思われた判断がことどとく失敗した悲劇なのです。 では、パナソニックは、何に帰るべきなのか?やはりそこは、哲学であり、松下幸之助さんの目指したビジョンに立ち返るべきなのではないでしょうか?

 

この時の経営陣のメンタルを分析すれば、カリスマ亡きあと、売上ダウンをすることは、メンツにかかわる!っと必死になっていたことが読み取れます。この時の「メンツ」とは個人の問題。蛇足でいう論理のすり替えです。 経営者が追うものは、ビジョンであり、売上さえも、ビジョンを達成させる1つの手段にすぎないはずなのです。 

 

上手な会社のつぶし方の一番の方法は、経営者がビジョンを語らないことです。 

 

 

三笠山にのぼる第一歩  富士山にのぼる第一歩  同じ一歩でも覚悟がちがう

どこまで行くつもりか  どこまで登るつもりか  目標が その日その日を支配する

 (松下幸之助も師事した後藤静香の詩より)

 

 

「目標」とはビジョン。ビジョンとは、社訓であり、綱領です。

会社を上手につぶしたいあなたは、ぜひビジョンを語らないでください! 

 

 

そしてつぶしたくないあなたは、~④の逆を歩むことをおすすめします^^;

 

 

地獄への道は善意の意思で出来ている・・・

よかれ、よかれっと、選んだ選択が、結果、組織を殺してしまうことってないでしょうか?

 

徳川幕府の最末期、幕臣として活躍した小栗忠順は、こんな言葉を遺しています。

一言で国を滅ぼす言葉は『どうにかなろう』の一言なり。幕府が滅亡したるはこの一言なり

 

創業30年で99%の会社は倒産します。そして、社会はすごい勢いで変化しつづけているのです。会社も、もしかしたら国家さえも、倒産するかもしれない激流のなかで、 「会社をつぶさない」ためにできるあなたなりの方法を、上手な会社のつぶし方の中からみつけてください