倭健(ヤマトタケル)の辞世の句

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤマトタケル(生年不詳 - 景行天皇43年)

 

記紀等に伝わる古代日本の皇族(王族)。『日本書紀』では主に「日本武尊(やまとたけるのみこと)」、『古事記』では主に「倭建命(やまとたけるのみこと)」と表記される。現在では、漢字表記の場合に一般には「日本武尊」の用字が通用される。

 

第12代景行天皇皇子で、第14代仲哀天皇の父にあたる。熊襲征討・東国征討を行ったとされる日本古代史上の伝説的英雄である。

 

ヤマトタケルの辞世の句

 

大和は 国のまほろば たたなづく 青垣山ごもれる 大和しうるはし

意:大和は(これまで渡り歩いた国々と比べても)素晴らしい国だ。青く重なり合うように連なった山々に囲まれている大和はとても美しい

 

この詩は「古事記」の中でヤマトタケルが辞世の句として詠んだとされる詩です。

ヤマトタケルは伊吹山に住む神を退治する目的で出兵したのですが、伊吹山の神を侮り、「素手で倒してやる」と豪語して、これまで数多の危機を救ってきた草薙剣(天叢雲剣)を妻、ミヤズヒメの元に置いてきてしまいます。伊吹山に着いたところ、山辺で一頭の白い猪に遭遇します。

「どうせただの神の使いだ。帰り際に殺してやろう。」と暴言を投げかけた後、山を登ろうとしますが、白い猪は神そのものであり、神の怒りを買って猛烈な氷雨に降り付けられます。ヤマトタケルの軍勢は毒気に中てられて伊吹山を下山し、這う這うの体で能褒野に辿り着きますが力尽き、この詩を残して没しました。なお、古事記にはとても大きな白鳥になって飛び立ったと記されています。

 

辞世の句として全部で4首詠まれており、他に、

2首目、

命の またけむ人は たたみこも 平群の山の 熊樫が葉を 髻華に挿せ その子

((まだ)命あるものは平群山にある大きな樫の葉を(魔よけの)かんざしとして挿せ。皆よ。)

 

3首目、

はしけやし 我家の方よ 雲居立ちくも

(ああ、なつかしい。我が家の方角から雲が立ちのぼっているではないか。)

 

4首目、

嬢子の 床のべに わが置きし 剣の太刀 その太刀はや

(妻の寝床に置いてきた草薙剣よ。その太刀よ…。)

が古事記に記されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤマトタケルの実像にせまる

 

神話の世界と、史実が混沌としている2~3世紀の日本において、古事記、日本書紀が記す古代史の英雄がヤマトタケルです。学会では、ヤマトタケルをはじめ神代の歴史をフィクションとして扱うのが一般的で、長らく「物語」として語られるにとどまってきました。しかし、近年の考古学の発達や、発掘調査が進んだことで、荒唐無稽と思われた神話の世界が、実は史実を色濃く反映させたものではないかと考えられるようになっています。

 

たとえば、ヤマトタケルのお話よりもずっと古い出雲神話の世界も、巨大な神殿のあとや、銅剣や銅鐸の発掘が進み、神話がリアルな政治物語としてとらえられています。

 

今に生きるヤマトタケルの伝承

奈良時代の文献には、天皇の崩御のあと大喪の礼(たいそうのれい)がとりしきられることが示されており、その際にはヤマトタケルの4つの御歌を歌う習わしがあることが記されています。現在でも昭和天皇さまの御大葬ごたいそうの時に、その様子がテレビを通じて全国に伝えれました。

 

いるか、いないか?の議論とは別に、奈良時代から少なくとも1300年にわたってヤマトタケルの歌が重大な儀式に採用され、いまなお受け継がれていることこそ日本の文化のとてつもなさです 

 

ヤマトタケルとは

日本武尊(ヤマトタケルノミコト)は、日本の歴史の波に飲まれ、ある時は実在した英雄と言われ、ある時は架空のおとぎ話の主人公とされてきました。『日本書紀』では「日本武尊」と表記され、『古事記』では「倭建命」と表記され、どちらも『ヤマトタケルノミコト』と読みます。

 

古事記によれば、ヤマトタケルノミコトは、景行天皇と針間の伊那毘能大郎女(イナビノオオイツラメ)との間に生まれた双子の兄弟の弟です。兄が大碓命(オオウスノミコト)、弟が小碓命(ヲウスのミコト)。

 

このヲウスノミコトが顔色一つ変えず平気な顔で兄を殺してしまった事に恐怖を感じた景行天皇は、すぐにヲウスノミコトに西方の熊曾に住む熊曾建(クマソタケル)の征伐を命令します。

 

建(タケル)というのは、猛々しい強い者という意味で、みごと、クマソタケルを討ったヲウスノミコトは、この時から、『ヤマトの猛々しい者』という事で、ヤマトタケルと名乗ります。

 

そして帰り道で、出雲建(イヅモタケル)も討ち負かして都へ帰ってきますが、旅のつかれを癒す間もなく、景行四十年(110年?)7月16日、東方征伐の命令が下る事になります。

 

この時、ヤマトタケルは「父は私が早く死ねばいいとでも思っているのだろうか」と嘆きながら、命令が出てから、わずか2ヶ月半後の10月2日に東方の征伐に出発しています。

 

この後半のヤカトタケルノミコトは、あの、兄を平然と殺害した前半のヲウスノミコトとは、まるで別人のように天皇の命令には従順に働きます。

 

古事記・日本書紀の筆者によって作り上げられた架空の人物・・・というよりは、多数の実在の人物をモデルにして、それらを一人の人物として表した結果のように思えてなりません。ヤマトタケルノミコトは、西方の国々と東方の国々を支配下に治めたそれぞれの過程を一つの人格としたものなのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現代も続く神話の世界 

 

日本は世界で一番古い国として知られています。記紀によれば、その建国は紀元前660年とされ、在位が確実に実証できる5~6世紀の天皇さままでさかのぼったとしても、1500年以上の歴史があります。ちなみに、2位のデンマーク王国が1000年の歴史と比較しても、ぶっちぎりの古さを誇っているのです。

 

文字もない古代の世界で、わたし達の祖先たちは建国の物語を、伝承だけで伝えてきました。物語のなかには、突飛なものもあり、それを指して、伝承をフィクションだと決めつける声が多くあります。本来であれば、学校の現場で、建国の英雄として祭り上げられるヤマトタケルの物語も、同じくフィクションとして無視されているのは悲しむべきことです。自分の国を大事にすること、自分の国をつくった英雄を教えることは、悪い事なのでしょうか?

 

イギリスでは、5~6世紀に活躍したアーサー王が英雄として称えられます。このアーサー王も実在について議論の分かれるものの、英雄としての地位は揺るぎようのないものです。伝承で伝えられる物語には、魔術師との出会いや、伝説の剣エクスカリバーなどが登場します。物語は物語として、少なくとも、イギリス国民が、1000年以上、アーサー王を大事にしてきた歴史は否定できません。

 

今も生き続ける伝説の剣

アーサー王は、伝説の剣エクスカリバーを手にしたことで国を統一します。同じようにヤマトタケルも、伝説の剣をあやつり多くの敵を倒します。剣の名を「草なぎの剣」といい、静岡県の焼津市は、草薙の剣の力で草が焼かれたとの伝承をもとに命名された地名であることも知られています。

 

そしてこの剣は現代にまで伝えられ、いまは三種の神器の1つとして、熱田神宮に奉られてるのです。

 

三種の神器とは?

三種の神器は、日本神話において、天孫降臨の時に、天照大神から授けられたという鏡・玉・剣のことをさします。歴代天皇さまは、皇位継承の際、もっとも大事な宝として代々三種の宝物を伝えてきました。

 

三種の宝物とは、八咫鏡・八尺瓊勾玉・草薙剣を指します。この宝は、皇族はもとより天皇でさえもその実見はなされておらず、多くの面が謎に包まれています。

  

本来の草薙剣は壇ノ浦の戦いの折に紛失してしまったとされており、現在残されている剣は熱田神宮が用意したレプリカと言われていますが、皇室で使用される三種の神器は本物は恐れ多いという理由から、元々すべてレプリカであり、本物は鎮座されたままであるという説もあります。

 

ヤマトタケルを漢字で表記すると、古事記では「倭建」。日本書紀では「日本武尊」となります。いずれも、倭(日本)を建てるといった意味となり、日本の平定に大活躍した英雄であったことがわかります。歴代の天皇さまは、その事実を大事にされてきたからこそ、大喪の礼ではヤマトタケルの歌を歌い、三種の神器として「草なぎの剣」を今に伝えています。

 

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