福田金箔工業 家訓

 

 

 

  

 

 「お客様には誠実に接し、振る舞いに気をつけること。祖先への恩恵の気持ちを忘れないこと」

(福田金箔工業 家憲『家の苗』

 

 

福田金属箔粉工業株式会社。福田金属箔粉とは、創業が元禄13年(1700年)、銅粉で世界トップ。メタルスタイリストを標榜。日本で最初にシート状電解銅箔を生産、電解銅箔5社の中では唯一の自社技術で事業をスタートした企業。小泉内閣の第1回ものづくり日本大賞で同社新商品事業部関係者が受賞。金属ガラス箔で燃料電池で使う水素分離膜の開発も進めている

 

2012年12月期決算は売上高465億円

基板配線用の銅箔では、国内トップ。またライバルのもう1社をあわせると世界シェア1位となる9割もの供給を実現しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

携帯電話の中で、折り曲げ可能なフレキシブル・プリント基板配線用の銅箔では、日本国内のライバル1社と合わせて世界シェアの9割を占めるのが、京都の「福田金属箔粉工業」である。

 設立は元禄13(1700)年、赤穂浪士の討ち入りの2年前に、京都・室町で金銀箔粉の商いを始めた時に遡る。創業300年以上となる老舗である。以来、錫箔、アルミ箔、銅粉、アルミ粉など、箔粉技術一筋にやってきた。

 金箔の技術は仏教とともに渡来した。寺院や仏像、仏具の装飾に、金箔が広く使われていた。当時の製法は金の粒を狸の毛皮に挟んで、槌(つち)で叩いて伸ばしていく。極細線と同様、髪の毛の1/8ほどの薄さに引き延ばす。比率で言えば、10円玉の大きさの金を畳2畳ほどに広げる勘定になる。伝統的な職人の間では、次のように言われている。

 金箔は人の心を読む。機嫌の悪いときには言うことを聞かない。時には嘲笑(あざわら)ったりする。金箔は生きているから。

 福田金属も、こういう職人気質を受け継いで、世界最高品質の銅箔を作り続けているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■伝統とテクノロジーが融合する国、日本。

 

我が国は、世界で群を抜く「老舗企業大国」です。創業百年を超える老舗企業が、個人商店や小企業を含めると、10万社以上あると推定されている。その中には飛鳥時代、西暦578年に設立された創業1400年の建築会社「金剛組」だとか、創業1300年になろうかという北陸の旅館、1200年以上の京都の和菓子屋など、千年以上の老舗企業も少なくありません。

 

ヨーロッパには200年以上の会社のみ入会を許される「エノキアン協会」があるが、最古のメンバーは1369年に設立されたイタリアの金細工メーカーである。しかし、これよりも古い会社や店が、我が国には百社近くもある。

 

 お隣の韓国には俗に「三代続く店はない」と言われており、せいぜい創業80年ほどの会社がいくつかあるに過ぎません。中国でも「世界最大の漢方薬メーカー」北京同仁堂が創業340年ほど、あとは中国茶、書道用具など百年以上の老舗が何軒かある程度です。

 

 さらに興味深いのは、百年以上の老舗企業10万社のうち、4万5千社ほどが製造業であり、その中には伝統的な工芸品分野ばかりでなく、携帯電話やコンピュータなどの情報技術分野や、バイオテクノロジーなど先端技術分野で活躍している企業も少なくないことです。

 

創業300年をこえる福田金箔工業も、伝統とテクノロジーを融合させたハイブリット企業の1つです。

 

■福田金箔工業の家訓 『家の苗』

 

江戸 1700 (元禄13) 初代当主 福田鞭石 京都・室町で金銀箔粉の商いを始める

赤穂浪士の討ち入り(1702年)の前のことです。

1715(正徳5)  2代・福田練石、家業を継承、この練石が1775年に、家憲『家の苗』を著す

 

家憲『家の苗』

当主として守るべき信条、しつけ、各種制度、年中行事などが約40枚に記述されている。表紙の常磐とは「常に変わらないもの」の意、いわば経営方針であり、現代の会社経営にも一脈相通ずる

 

福田金属箔粉工業は、その名の通り、京都・室町で金属箔・金属粉を製造する企業です。その創業は、今から300年以上前の元禄年間です。

明治時代までは金屏風や仏壇、仏具に使用される金銀箔粉を家内工業的に製造していた小さな組織でしたが、現在では、自動車、携帯電話、パソコンなどIT分野など最先端の機器に使われる金属箔や金属粉を幅広く製造する会社に生まれ変わっています。

 

≪きのうと違うことをやる≫「伝統とは変革の歴史である。毎日、きのうとは同じことをしないで、最適なことを行うように努めてきました」という姿勢と、手にしたハンマーで箔を叩いていた時代から、水力、電力と手段は変わっても、「箔はより薄く、粉はより細かく」という仕事の目的を変えない姿勢には、老舗の誇りを感じます。日々技術革新の成果として、2005年には、「第一回ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞」を受賞しています。

 

≪300年以上企業が継続してきた理由≫社長は、「駅伝ランナーと同じですよ。人によってスゼードが速かったり遅かったりするように、いい時代も悪い時代もあった。しかし、一人ひとりはしっかりと走った。次へ託す気持ちが強かった。今、社長としての自分に課せられている役割は、いかに次の代にバトンタッチをするかということだと考えています」。

 

≪親子代々入社する「歴代社員」≫福田金属箔粉工業には、親子二代、三代にもわたって勤める社員が数多くいます。親子代々が入社する理由を、「いつの時代でも、会社が社員を大事にしてきたからだと思います。会社から大事にされていなかったら、家で会社の悪口を言うこともあるのではないでしょうか。父親と同じ会社に入りたい、自分の子供をこの会社に入れてもいいと感じてもらえるのは、社員本人たちが大事にされているという自覚を持っているからだと思います」と林社長は語っています。感動しますね。父親の働く姿を通して、会社が単なる稼ぎの場ではなく、自己実現にふさわしい場であることを感じとれるんですから。

 

やはり、その背景には、二代目の福田練石が記した「家の苗」という、福田家の家訓があります。「お客様には誠実に接し、振る舞いに気をつけること。祖先への恩恵の気持ちを忘れないこと」などといった内容で現在も受け継がれています。企業が存続するには、この「家の苗」が社員に浸透し、共有されていることが、二代、三代の「歴代社員」を生んでいるのでしょう。

 

 

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著者 : 幡谷哲太郎

発売日: 2015年6月1日

  出版社: セルバ出版 価格 : 1,600円+税  

URL  http://www.amazon.co.jp/dp/4863672063