ドラッカーと二宮尊徳

 

 

 

 

 

 

「できることから始めるのではなく、正しいことから始めるのです。」

 

 

 

ピーター・ファーディナンド・ドラッカー

生誕:1909年11月19日

死没:2005年11月11日

 

オーストリア・ウィーン生まれのユダヤ系オーストリア人経営学者。「現代経営学」あるいは「マネジメント」(management) の発明者。

 

ウィーンで裕福なドイツ系ユダヤ人の家庭に生まれる。

 

1933年、自ら発表した論文がユダヤ人を嫌うナチ党の怒りを買うことを確信し、退職して急遽ウィーンに戻り、イギリスのロンドンに移住。39年には、アメリカに移住

 

1942年にバーモント州ベニントンのベニントン大学教授に、翌年アメリカ国籍を取得。

 

1959年に初来日し、以降たびたび来日。日本古美術のコレクションを始める

 

1966年には「産業経営の近代化および日米親善への寄与」が認められ勲三等瑞宝章を受勲。

 

2005年にクレアモントの自宅にて老衰のため死去。95歳没。

 

岩崎夏海の小説『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(通称『もしドラ』)は、高校の野球部の女子マネージャーが、偶然に入手したドラッカーの『マネジメント』の内容を、部の改革に活かす内容で、日本でのドラッカーのブームに一役買いました

 

  

 ■ドラッカーと二宮尊徳 

 

時代も国も違うドラッカーと二宮尊徳。

しかし、この2人には多くの共通点があります。

 

ドラッカーは、たびたび日本的経営の素晴らしさを説いています。そして、日本的経営の元祖ともいえるのが二宮尊徳なのです。

実は二宮尊徳は経営マネジメントを庶民に教えた先駆者(イノベータ―)でした。

 

二宮金次郎と言えば、薪をせおって勉強し、貧乏に耐えた苦労人・・・という印象が強いですが、生涯に620箇所もの町村の財政再建を成功させ、多くの農民たちを救い、藩の財政立て直しに貢献され、死後は神様にあがめられるほどの偉人です。

 

今風にいえば、マーケティングの鬼。あるいはコンサルティングの神というのが二宮尊徳の姿です。ドラッカーが、二宮尊徳にひかれたのもごくごく自然なようにも感じます^^

 

うさんくさいコンサルが跋扈する現代にあって、ドラッカーの理論は日本人に愛されています。

その理由は、ドラッカー自身が、二宮尊徳や、日本の老舗企業の経営を参考にしていたからなのではないでしょうか?

 

コンサル界の巨人、ドラッカーと二宮尊徳。 

二人に共通する内容をいくつかご紹介します。

 

「実践こそすべて」 

「人を活かす」 

「教育の重要性」

 

これらの部分に関してはほぼと言っていいくらい同じ趣旨の事が書かれています。

「できることから始めるのではなく、正しいことから始めるのです。」とは、ドラッカーの名言です。

「道徳なき経済は犯罪であり実践なき道徳は寝言である」これは、二宮尊徳の言葉。いずれの名言も、ポリシーの大切さを説いているのではないでしょうか?

 

この後の章では、ドラッカーの名言。

さらに、二宮尊徳の功績を紹介していきます。

 

 

■ドラッカーの名言

 

二宮尊徳の言葉にほぼほぼ重なるドラッカーの名言をあつめてみました

 

予期せぬ成功がイノベーションにつながる。

 

・まず何よりも、変化を脅威ではなく機会としてとらえなければならない。

 

・我々は今いる人間をもって組織をマネジメントしなければならない。

 

・「私は」ではなく「我々は」を考えることが大切。

  

・リスクが富を生む。

 

・成功してきたのと同じ貢献を続けていたのでは、失敗する。

 

 ・一人の力で成功することは絶対にない。一人の力が他人の協力を得たとき、初めて事業は成功する。

 

 ・人間は「自分でなければできない」と錯覚していることが多すぎる。

 

・真摯さはごまかせない。

 

・チャンスは一念専心によって、かろうじて得ることが出来る。

 

業績を上げる最大のカギは責任感である。権威や権限ではない。

 

・過去のリーダーの仕事は「命じること」だが、未来のリーダーの仕事は「聞くこと」が重要になる。

 

 ・何事かを成し遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。できないことによって何かを行うことなど、到底できない。

 

 ・これからは、誰もが自らをマネジメントしなければならない。自らを最も貢献できる場所に置き、成長していかなければならない。

 

 ・私の観察によれば、成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。次に、時間を管理すべく自らの時間を奪おうとする非生産的な要素を退ける。

 

・いかなる成果もあげられない人の方がよく働いている。成果の上がらない人は、第一に、ひとつの仕事に必要な時間を過小評価する。第二に、彼らは急ごうとする。第三に、彼らは同時にいくつかのことをしようとする。

 

 ・イノベーションを成功させるには、焦点を絞り単純なものにしなければならない。

 

 ・時間を管理するには、まず自らの時間をどのように使っているかを知らなければならない。

 

 ・誰でも自らの強みについてはよく分かっている。だが、たいていは間違っている。わかっているのはせいぜい弱みである。それさえ間違っていることが多い。

 

・組織に働く者は、組織の使命が社会において重要であり、他のあらゆるものの基盤であるとの信念を持たねばならない。この信念がなければ、いかなる組織といえども、自信と誇りを失い、成果をあげる能力を失う。

 

・組織に働く者は、組織の使命が社会において重要であり、他のあらゆるものの基盤であるとの信念を持たねばならない。この信念がなければ、いかなる組織といえども、自信と誇りを失い、成果をあげる能力を失う。

 

・原因は何十年かのちに学者が明らかにするだろうが、行動する経営者としては待っていられないだろう。使えるもの、分かったことはどんどん使いなさい。

 

経営者は、その企業の将来について、もっと時間と思索を割くべきである。

 

幹部の仕事と知識とは、あまり関係はない。

 

・他人の短所が目につきすぎる人は、経営者には向いていない。長所を効果的に発揮させるのが自分の仕事だと考える人が、有能な経営者になれる。

 

人々を動機付ける能力がなくては、経営者とは言えない。

 

・決断の場面においては、トップは常に孤独である。

 

 ・組織に働く者は、成果に何も寄与しないが無視できない仕事に時間をとられる。膨大な時間が、ほとんど役に立たない仕事、あるいはまったく役に立たない仕事に費やされている。

 

 ・経営者が学びえないが、どうしても身につけていかなければならない資質がひとつある。それは品性だ。

 

・誰かが勇気ある決断をしなければ、どんな事業も成功しないだろう。

 

組織が存在するのは組織自身のためではない。自らの機能を果たすことによって、社会、コミュニティー、個人のニーズを満たすためである。組織とは目的ではなく手段である。

 

・驕るな。企業は社会に存在させていただいているものだ。

 

・改善の目的は、製品やサービスを改良し、2・3年後にはまったく新しい製品やサービスにしてしまうことである。

 

仕事や成果を大幅に改善するための唯一の方法は、成果を上げるための能力を向上させることである。際立って優れた能力を持つ人を雇うことはできる。あるいは際立って優れた知識を持つ人を雇うこともできる。だが、いかに努力したとしても、能力と知識の向上に関しては、大幅な期待をすることはできない。もはや、これ以上は不可能か、あるいはすくなくとも効果のあまりないような限界に達している。新種のスーパーマンを育てることはできない。現在の人間をもって、組織をマネジメントしなければならない。

 

・未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ。未来を予測しようとすると罠にはまる。

 

・たいていの経営者は、その時間の大半を過ぎ去った「きのう」の諸問題に費やしている。

 

・本物の変化とは人が行うことであり、流行とは人が言うことである。

 

・ もしマーケティングが完全に行われていたら、販売努力は不要だ。

 

・数百年後、歴史家が長い視点から今日の時代をとらえた場合、最も重要な出来事はテクノロジーでもインターネットでも電子商取引でもないだろう。人間がおかれた状況の史上例を見ない変動こそ、最大の出来事である。今日多くの人々が選択する自由を手にしており、その人数は急激に増えつつある。これは歴史上まったくなかったことだ。それは同じく史上初めて人々が自分自身をマネジメントしなければならないことでもある。しかし、社会の側ではこの事態に対応する準備が全然できていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道徳なき経済は犯罪であり実践なき道徳は寝言である

   

 

 

二宮尊徳(にのみや そんとく)

生誕:1787年9月4日

死没:1856年11月17日

 

薪を背負いながら本を読む姿の像で有名な江戸時代後期の農政家&思想家。通称の「金治郎(きんじろう)」の名もよく知られている(一般的には「金次郎」と表記)。私利私欲に走るのではなく社会に貢献すれば、いずれ自らに還元されるという「報徳思想(ほうとくしそう)」を説き、疲弊していた多くの農村を救った。 

 

 

■道徳なき経済は犯罪であり実践なき道徳は寝言である

 

 二宮尊徳は、ただの思想家でなく実践者でもありました。多くの実績はもちろん、書籍や弟子たちによって伝えられる足跡は多くの金言で満たされています

飢饉や幕末の混乱で疲弊した農村を救った尊徳先生。倹約や勤勉の素晴らしさを説く一方、いまの信用組合(銀行)に似た仕組みを導入しお金の流通が人々の暮らしを豊かにしていくことを証明してみせました。

 

そんな尊徳先生の残された金言の1つが

「道徳なき経済は犯罪であり実践なき道徳は寝言である」との一文です

 

先生は、口ばっかりで何もしない学者や坊主を嫌っており、絶えず実践できる道徳を模索していました。

また儒教の教えでは忌み嫌われる「商い」こそが人々の暮らしを豊かにすことを実践で証明しています。

 

現代でも、企業の社会的責任と訳されるCSRが注目される中、200年まえ尊徳先生が説いた企業のモラールはもっと実践的で、もっと気高いものでした。

 

CSRが会社の利益からちょこっと持ち出しをして、花を植えたりする程度のものですが、尊徳先生から連なる「報徳思想」の経営者たちは、本業を通じての社会貢献こそが大事であること、またいいことは黙ってやるから価値とする陰徳の実践者たちを生み出していきました

 

二宮尊徳の「報徳思想」に共感し、いまも実践を続ける経営者(または法人)は次のような名前があげられます

 

・豊田佐吉       豊田自動織機を創業。貧しい大工であった父親の伊吉が尊徳先生の高弟に師事。

・安田善次郎   安田財閥

・渋沢栄一       日本資本主義の父。500あまりの企業を創業

・松下幸之助   松下電器を創業。PHP出版をたちあげ倫理観の醸成にも苦心

・御木本          世界初の真珠の養殖に成功

・稲森和夫       京セラを創業

 

あなたが通った学校にも校庭の隅に薪を背負った二宮金次郎の像があったかもしれません。

尊徳先生の功績は、古い思い出のなかにあるだけでなく、いまも志を受け継いだ多くの商人たちによって日々実践されています。

 

 

■とてつもない男・二宮尊徳 

 

(参照:二宮尊徳 スーパースターより)

http://homepage1.nifty.com/rekisi-iv/ninomiya/ninomiya-main.htm

         

 

マーケティングの鬼・ コンサルティングの神 (科学的経営管理 ) 

 

そこで今、こうしたバイアスや先入観を取り除いて、純粋に事実だけを追って、彼の生きざまを描いてみたいと思う。  彼がやったことは、一言で言えば、関東周辺十一ヶ国に及ぶ、荒廃した農村の復興である。今日で言えば、傾いた会社を次々に立て直していったといったところであろうか。  それを、彼は「尊徳仕法」という独特の標準化された手法により、実現したのである。

 

「尊徳仕法」とは、データに基づき、目標値を立て、実行計画を遂行していくという管理手法である。それは今日のQC(QUARITY CONTROL=品質管理)手法にも通じるものである。  

 

戦後、日本が飛躍的な経済成長を遂げた背景に、製造業におけるQCの盛んな導入があったのは間違いない。農業=製造業であった江戸時代において、既に二宮尊徳はこのような科学的経営管理法を考案し、そして実践していたのである。 尊徳の手法を現代の品質管理経営と照らし合わせながら見てみると次のようになる。

   

・方針管理経営:管理項目、すなわち目標値を、誰にも納得のいく具体的な数値で表した。

・上流工程重視:企画や設計など、農村復興のための上流工程を重視した。

・現場第一主義:自らの足で回村するなど、現場を見ることを大事にした。

・フラット組織:名主などの中間管理職に代表されるピラミッド組織を通さずに、直接プロジェクトメンバ(つまり農民)一人一人を個別掌握した。

・コミュニケーション重視:比喩を駆使して分かりやすいコミュニケーションに努めた。

・モラール向上:表彰制度等、やる気を起こさせること、すなわち動機付けを常に考えた。

・標準化:仕法をドキュメント(文書)化し、弟子たちに伝えて横展開を図った。

 

現代ビジネスマンも学びたい尊徳の生き方  

封建制度というがんじがらめの仕組みの中で、最大限の成果を上げた彼のこのようなマネジメント手法は、今日の「会社」という制約条件の中で懸命に生きている現代のビジネスマンやプロジェクトリーダにとっても、大いに参考になるのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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