ブータン国王からのメッセージ

子ども達へのメッセージ

 

自分の「龍」を育てよう

 

皆さんは、龍を見たことがありますか? 

私はあります。王妃もありますね。

 

龍は何を食べて大きくなるのかを知っていますか? 

龍は、経験を食べて大きく成長していくのですよ。

 

私たち一人ひとりの中に「人格」という名の龍が存在しているのです。 その龍は、年を取り、経験を食べるほど、強く、大きく、なっていきます。

 

人は、経験を糧(かて)にして、強くなることができるのです。 

そして何よりも大切なことは、自分の龍を鍛えて、きちんとコントロールすることです。

 

この「龍」の話を、私がブータンの子どもたちにする時には、同時に、「自分の龍を大切に養いなさい、鍛錬しなさい」

 

ということを言っています。

わがままを抑えることや、感情をコントロールして生きることが大切なのです。

 

※東日本発災後、福島に慰問に訪れた国王が子ども達との交流のなかで語ったメッセージ

出典 『ワンチュク国王から教わったこと』ぺマ・ギャルポ(著)

 

世界一幸福な国・ブータンとは?

 

GDPでなくGNH

 

(参照:ブータン政府観光局) 

http://www.travel-to-bhutan.jp/about_bhutan/%E5%9B%BD%E6%B0%91%E7%B7%8F%E5%B9%B8%E7%A6%8F%E9%87%8F

 

これまで、世界中の経済学者が、幸福になるためには物質的な発展を遂げることが必要だと言ってきました。しかし、ブータンは物質的な成長を積むことが必ずしも幸福と結びつくわけではないと主張し、これまでの説とは別の方法で考えようとしてきました。ブータンは、これまでの概念に対して、その発展の度合いを測るのにGDP(Gross Domestic Product/国内総生産)ではなく、GNH(Gross National Happiness/国民総幸福量)を使っています。

 

第三代国王のジグミ・ドルジ・ウォンチュック陛下は、発展のゴールは『国民の繁栄と幸福』であるという考えを表しました。1971年にブータンが国連に加盟した際の国王のスピーチでは、『繁栄と幸福』が強調されました。この考えは、第四代国王のジグミ・シンゲ・ウォンチュック陛下がさらに練り上げ、彼は国王に就任した年に『我々の国の方針は、国や国民の為に経済的独立、繁栄、幸福を実現し国をまとめることだ』と語りました。

 

繁栄と幸福、両方が強調されていますが、幸福の方がより大切だとされています。第四代国王は、ブータンにとってはGDPよりもGNHの方が重要だと強調しました。GNHは今や世界中の様々の分野の専門家、学者、政府関連機関によって具体化されてきています。

 

第四代国王は、国家の問題が経済成長だけに特化されることを心配し、ブータンで優先するべきなのはGDPではなくGNHだと決めました。そして、国の発展の度合いをGNHで測ることを提唱しました。彼は、豊かであることが必ずしも幸せではないが、幸せであると段々豊かだと感じるようになる、と言っています。一般的な発展が、経済成長を最終目的として強調するのに対し、GNHの概念は、人間社会の発展とは、物質的な発展と精神的な発展が共存し、互いに補い合って強化していったときに起こるものだ、という考えに基づいています。

  

更に、GNHのコンセプトにより、国家は発展すると同時に、人生哲学の核として幸福を促進することができるようになりました。政府から見ると、GNHは自給自足や貧富の差の減少を促し、政治を良くし、国民を強くしてきたのです。

 

 


ブータン王国

 

ブータン王国

南アジアの国家。北は中国、東西南はインドと国境を接する。国教は仏教(ドゥク・カギュ派)。民族はチベット系8割、ネパール系2割。公用語はゾンカ語。首都はティンプー。

 

長年鎖国政策をとっていたが、1971年に国連加盟。翌年に国民総幸福量という功利主義を採用し、開発独裁につなげた。国連加盟諸国のうち、第二次世界大戦以降、アジア諸国で対外戦争や内戦・動乱を経験していない国はこのブータンと日本の二か国だけである


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