世界一貧しい大統領のスピーチ

 

 

 

 

 

「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

 (ウルグアイ大統領 ムヒカ)

 

 

ホセ・アルベルト・ムヒカ・コルダノ

生誕: 1935年5月20日 -

 

ウルグアイの政治家。2009年11月にウルグアイ大統領選挙に当選し、2010年3月1日より2015年2月末まで、同国の第40代大統領を務めた。バスク系ウルグアイ人。

 

■世界一貧しい大統領とは?

 

世界一貧しい大統領として有名になったウルグアイのムヒカ大統領の半生をえがいた絵本が話題です。大統領なのに豪華な首相官邸をきらい、郊外に質素な家をかまえ、迷い込んできた雑種の犬と共に、水道もひかず質素に生活しているそうです。大統領の生き方は、無理に倹約しているわけでもなく、物質的には貧しいはずなのに、ものすごく豊かです。大統領の生き様すべてが、混迷をふかめる現代社会を救う処方箋になるのはないでしょうか?

 

ムヒカ大統領は、首都モンテビデオの貧困家庭に生まれています。家畜の世話や花売りなどで家計を助けながらも、1960年代に入って極左都市ゲリラ組織ツパマロスに加入、ゲリラ活動に従事していそうです。数々の襲撃、誘拐にたずさわる中で、ムヒカは6発の銃弾を受け、4度の逮捕(そのうち2回は脱獄)を経験されました。1972年に逮捕された際には、軍事政権が終わるまで13年近く収監されており、軍事政権側の人質として扱われていました

 

経歴だけみると、絵本の主人公でなく、リアル・ランボーです^^;

 

■日本人に送る ムヒカ大統領の幸福論

 

質素な暮らしぶりから「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれた南米ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領(80)が初来日しています。4月7日、東京外国語大学(東京都府中市)で「日本人は本当に幸せですか?」と題して講演し、「一番大きな貧困は孤独です。物の問題ではない」などと、とつとつと語りました

 

「他人のために何かできたら、自分も幸せに」と提言され、会場では同大の学生ら約300人が聴講し、中継モニターを置いた広場にも大勢の学生や市民らが集いました。ノーネクタイ姿で現れたムヒカ氏は講演で「重要なのは、大切な時間を得るために制限をつけること」などと人生訓を披露。タックスヘイブン(租税回避地)をめぐる問題が明るみに出た「パナマ文書」にも触れ、「自分の資本を増やすためだけにお金を使っている人がいる。ばかげた悲惨なことと、若い人たちは戦わねばならない」と批判しています。また、政治に関して「日本では、若者の30%ぐらいしか投票にいかないと聞いた。信じてないんですね。でも、不平ばかり言うのではなく、同じ気持ちを持つ人とまとまって何かをしなければならない。それが人生に意味を与えること」と参加を呼びかけました 

 

■レス・イズ・モア(少ないことは、豊かだ)

 

ムヒカ大統領の提唱する概念は、【レス・イズ・モア】 (少ないことは、豊かだ)です。

 

豊かさって何でしょう? いま、日本をはじめ世界中の人々が信じる【豊かさ】とは物や金を手に入れるだけの豊かさです。欲しいものを手に入れるために、自分の時間をけずり、給料を手に入れ、たくさんの家電を買い、いい車にのり、夢のマイホームを手に入れる・・・。でも、そのすべてを手に入れても、ダイソンの掃除機も欲しいし、新しいモバイルも欲しい・・・ っと 結局、欲というものには、限りなどなく、経済的な豊かさをおえば追うほど、「ある」ものでなく「ない」ものに心が執着していくものなのではないでしょうか?

 

現代にくらす我々にとって、「ない」ことを豊かに感じる工夫が求められています。  たとえば、「朝ごはんを一緒にたべる」(王貞治 家訓)。こんなあたり前の風景が、レスイズモア(=豊か)だと感じませんか?一日の始まりに、みんながそろってご飯をたべる。ただそれだけのことですが、これは間違いなく豊かです^^

 

最近の研究では、安心感や、気持ちよさをつかさどる「セレトニン」という物質は、腸からも出ているという研究成果が発表されました。飯を食うという事は、栄養をいれるだけでなく、安らぎをあなたに約束するものなのです。そして、その幸せを家族で共有してください。 日本のコトワザには、「起きて半畳、寝て一畳 天下をとっても2合半」という言葉があります。 人間が身体で占有できる範囲、そして胃袋にはいる許容量は、そんなもの・・・だったら、手に入れるばかりでなく、与えることに豊かさを感じていきましょう?

 

レスイズモア(少ないことは、豊かだ)あなたなりの「豊かさ」を家訓づくりプログラムでみつけてください^^ なんと受講料、そして家訓二ストへのギャラもタダ(*_*) ゆ、豊かだっ!

 

 

ムヒカ大統領のスピーチ

 

 出典;http://whats.be/2180

 

会場にお越しの政府や代表のみなさま、ありがとうございます。 ここに招待いただいたブラジルとディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。私の前に、ここに立って演説した快きプレゼンテーターのみなさまにも感謝いたします。

 

国を代表する者同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない素直な志をここで表現しているのだと思います。 しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。

 

午後からずっと話されていたことは持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。私たちの本音は何なのでしょうか?現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?

 

質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。 息するための酸素がどれくらい残るのでしょうか。同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?可能ですか?それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか? マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。

 

マーケット経済がマーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。 私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか?どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?

 

このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。

 

人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。 ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。

 

このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。

 

石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。

 

昔の賢明な方々、セネカやアイマラ民族までこんなことを言っています「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。

 

国の代表者としてリオ会議の決議や会合にそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。 根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。

 

私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、世界でもっとも美味しい1300万頭の牛が私の国にはあります。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。

 

私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。

 

私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。 そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。 幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくてはなりません。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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著者 : 幡谷哲太郎

発売日: 2015年6月1日

出版社: セルバ出版

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