日本美術史 狩野派の家訓と琳派の感性


 

 

 

美術史にみる家訓の世界

 

 

百花繚乱を競った江戸時代の美術史の中で、一番の影響をもっていたのが、狩野派。そしてこれに対抗するように独自の美術史をきずいたのが、のちに琳派とよばれる男たちでした。

 

 

 

 

 

 


 

■才能(質画)の琳派と伝統(学画)の狩野派

 

狩野派は、親・兄弟などの血族関係を主軸とした画家集団で、約4世紀間の長期にわたって一国の画壇に君臨したという点で、世界的にも他にほとんど例を見ないものでした。

 

芸術家の個性の表現や内面の表出を尊重する現代において、狩野派の絵画への評価は必ずしも高いとは言えません。しかし、狩野派が400年にわたって日本の画壇をリードし、そこから多くの画家が育っていったことも事実であり、良きにつけ悪しきにつけ、狩野派を抜きにして日本の絵画史を語ることはできません。

 

近世以降の日本の画家の多くが狩野派の影響を受け、狩野派の影響から出発したことも事実であり、琳派の尾形光琳、写生派の円山応挙なども初期には狩野派に学んでいます。

 

世界的にも評価高い琳派は、血族によって作られた系統ではなく、100年ごとに突然あらわれる天才によって導かれた作品群を後世の人々が、「琳派」と名付けたものです。そのスタイルは、自由にあふれ、人々の喝采を浴びましたが、武家や神社仏閣からのオーダーをこなしていくためには、狩野派のような職人集団も必要です。


「質画」と「学画」は、美術史における葛藤であると同時に、美術にかぎらず事業継承や、プロジェクトの進行のなかで、「才能」と、その他の人々との間におこる摩擦をも暗示させます。

 

あえていえば、「学画」のなかに、常識をこわす「質画」が誕生すること、そして質画がこわした常識の枠のそとで、学画が実直に継承していくが理想なのではないでしょうか?

  

日本の美術史にさん然と輝く、狩野派と琳派。400年たった今でも、その作品は、美術館や神社仏閣で堪能することができます。時代時代の男たちの葛藤と、才能が日本人をつくってきたのだと、日本の豊かさに感謝するばかりです。

 

明日の琳派となるために、今日の狩野派であれ!(BY、家訓二スト)

 

 

 

 

 

 

 

 

■狩野派の家訓

天性のセンスで描く「質画」と呼び、学んで覚える「学画」としていた時代、狩野派は次の世代に伝えられない「質画」でなく、学んで覚える「学画」を家訓としました。

 

狩野派とは、日本絵画史上最大の画派であり、室町時代中期(15世紀)から江戸時代末期(19世紀)まで、約400年にわたって活動し、常に画壇の中心にあった専門画家集団です。室町幕府の御用絵師となった狩野正信を始祖とし、その子孫は、室町幕府崩壊後は織田信長、豊臣秀吉、徳川将軍などに絵師として仕え、その時々の権力者と結び付いて常に画壇の中心を占め、内裏、城郭、大寺院などの障壁画から扇面などの小画面に至るまで、あらゆるジャンルの絵画を手掛ける職業画家集団として、日本美術界に多大な影響を及ぼしました。

 

この「学画と質画」という言葉は、狩野派の「画道要訣」という画論の中に出てきます。絵として成立させている要素が、天性のものと思われるなら、それは「質画」と呼び、対して学ぶことによってなしえた要素が主要ならそれを「学画」と呼ぼうとしたとされています。

 

狩野派としては、この二つどちらも絵の大切な要素としながら、あえて「学画」を重要とするとしています。学んで実現可能なものならば、代々子孫に伝えて行くことが可能だからです。一族の中でいつ誕生するか分からない「天才」(質画)を待つことは、狩野派の存続を脅かすリスクに他なりません。しかし「学画」によって、多少オリジナリティーにかけても、同品質のクオリティーの作品を400年にわたって製作しつづけたことは、生き残るための知恵であったと言えるのはないでしょうか?

  

 

 

 

 

 

 

 

■琳派とは?

「琳派」とは、桃山時代後期に京都の俵屋宗達、本阿弥光悦からはじまり、尾形光琳、乾山によって発展し、酒井抱一、鈴木其一が江戸にて大成させた同傾向の表現方法を用いる流派です。

狩野派のような絵師集団でなく、先人への敬意で継承された美意識の系譜であって、琳派

という呼称は後世つくられたものです。

 

琳派の特徴は、初代の宗達、光悦の時代から、100年後に光琳が活躍。そしてその100年後に抱一たちが登場する点です。お互いに血縁関係があるわけでもなく、1つの作品、あるいは1つの才能に対して、おのおのがオマージュしていく点が特徴的です。

 

狩野派の絵師たちが、血脈と伝統を重んじてきたのと対照的に、琳派の画家たちは、商人であり武家の出身であり、違ったアイデンティティを持ちながらも、自由な創作活動をみせています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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