王貞治 王家家訓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王貞治 王家家訓

 

1 人に迷惑かけない

2 人のために尽くしなさい

3 時間厳守

4 朝ごはんを必ず食べる

5 負けた相手の事を考えなさい

6 外出する時は新しい下着を着用しなさい

7 みなさんのおかげですを忘れない 

 

王貞治 (おう さだはる)

生誕:1940年5月20日

日本 生まれ、中華民国籍の元プロ野球選手・監督。 通算本塁打868を記録し、巨人のV9に 貢献。1977年、初めて国民栄誉賞を受賞した人物

 

日本生まれ・台湾籍の元プロ野球選手、監督。読売ジャイアンツの主軸打者として積み上げた通算本塁打数868本は、メジャーリーグのハンク・アーロンの755本を抜き、世界最高の本塁打数記録となりました。その他、数々の日本プロ野球記録を保持しています。第1回目の国民栄誉賞を受賞したほか、引退後はジャイアンツの監督、福岡ダイエーの監督をつとめた他、第1回WBCの代表監督として日本を世界一に導いています。 野球選手としてだけでなく、多くの国民に愛される王さんの人間性が伝わる、エピソードを紹介させていただきます。

 

 

 

 

 

  

 

  

 

 

(参考 百年目の帰郷―王貞治と父・仕福 (小学館文庫) 文庫 – 2002/12 鈴木 洋史 (著)

 

家訓と歩んだ 王家の歴史

  

父、仕福さんの物語

仕福さんは、学校教育というものを一日足りとも受けておらず、自分の名前などを除けば文字を書けませんでした。来日してから日本語を覚えるものの、死ぬまで中国語訛が抜けずにたどたどしく、表現力にも乏しく、その肉声はほとんど伝わっていません。限られた情報をもとにすれば、至福の父(王さんの祖父)は、自殺し、幼い弟も病死してしまいます。電気もない小さな村での孤独で貧しい一人暮らし強いられるなか、流れ着くように日本で働くこととなったのでした。

 

中国の貧しい農村を出て日本で働きはじめた仕福さん、苦労を重ねるなか、日本人・登美との良縁にも恵まれ、中華料理の店を出店できるほどの成功をおさめます。子宝にも恵まれ、登美との間に鉄城、幸江、順子、貞治という四人の子供を持つことになります。「二人の息子のうち一人を医者に、一人を電気技師にさせ、いずれ中国に連れて帰って故郷の村の建設に役立たせたい」という夢をいだくようになったといわれています。その夢のとおり、兄(鉄城さん)は医者になりましたが、王さん自身は、大学の理工系に進み、電気技師になるつもりが、野球の才能が認めれられ、プロ野球選手として大成しました。王さんは、いまでも親不孝をしたともらすことがあるそうです。父親の夢をかなえ、出来のいい兄にくらべ自分は不肖の弟だというロジックです。 

 

仕福さんは戦争中、強制収容されるなど、運命に翻弄されるものの、日本で生かされているという意識が強く、「感謝」と「お役に立ちたい」が口癖だったと王さん自身がコメントをのこされています。王選手が早実高から巨人に入団したときも、新聞記者の皆さんに「貞治は巨人やファンの皆さんのお役に立ちますかねえ?」と聞いていたと伝わっています。

 

王さんは、兄・王鐡城さんの告別式の席で、王さんは、家族愛に満ちたコメントを遺されています。 

「兄貴にはかないませんが、王家の家訓をしっかりと守りながら生きていこうと思います。」

世界のホームラン王であっても、親や、兄からみれば小僧であると、誰をも疑わない成功を納めながらも、父親の夢であった電気技師にならなかったことを後悔している節がコメントから読み取れます。つねに謙虚でいられる姿勢に、王さんの人間性が伝わるエピソードではないでしょうか?

  

日本人とは何か?

日本語もたどたどしい父・仕福さんの口癖は、「他人に迷惑をかけられても、他人に迷惑をかけるな」「他人の喜ぶことは進んでやれ」というものでした。戦前、中国の貧しい農村から来日した父・王仕福はつねに周囲の日本人社会との融和を図り、折あるごとに子供たちにそう言い聞かせ、王の身にもその教えが知らぬ間にしみついていたのかもしれません。

 

平成30年9月、テニスの大坂なおみ選手が全米オープンを制覇しました。日本人初の快挙を成し遂げた大坂選手。女王セリーナ・ウィリアムズに対して圧倒的な強さを見せつけたものの、セリーナと審判側のいざこざに巻き込まれて授賞式でブーイングを浴びてしまう結果になってしまいました。そんな場面でも素直で謙虚な姿を見せる大坂選手に、海外からは多くの感動の声が寄せられていました。大坂選手はハイチ系アメリカ人の父と、日本人の母の間に生まれたハーフです。

 

家庭の崩壊が言われ、崩れゆく日本にあって、移民でありながらも、人に感謝する心を大事にし成功を勝ち取った王家の家訓には、“父の血”を受け継ぎながら日本人以上に日本人として生きてきた王家の歴史がつまっています。日本人とは何なのか?法律的な解釈を別にして、親が日本人であっても、「日本人」じゃない人が増えています。反対に日本語が話せなくても、青い目や黒い肌であっても、誰よりも「日本人」である人もたくさんいます。大切なのは「らしく」いきられるかっという一点です。

 

第1回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の優勝監督となった王さんに、海外メディアから辛辣な質問が飛んだことがあります。「あなたは日本人ですか?」っと、 王は顔色ひとつ変えずに答えました。

「父は中国人だが、母は日本人です。私は生まれたときから日本で育ち、日本の教育を受け、日本のプロ野球人として人生を送ってきました。疑うことなく日本人です」

 

誰からも愛され、誰よりも日本人らしく生きている王さん。法律上の籍は、台湾籍であることが知られています。父は中国浙江省出身、王さんは日本で生まれ、どちらともゆかりはないが、日本と国交があった中華民国(台湾)を選んだそうです。

 

本塁打の世界記録を更新し、国民栄誉賞を受賞した際にも、台湾国籍であったことが問題視され、、また、現役時代の王選手が、巨人軍の優勝旅行の際、ヨーロッパの某国で入国を拒否される事件までありました。便利さだけをとれば、国籍を台湾におくメリットのない王さん。しかし、王さんは、【父親の血脈】を重視してきました。この子にしてこの親あり、この親にしてこの子あり、王さん一家のなかに、消えゆく「日本人」の「らしさ」をみました。

 

全国のお父さんへ

子を思う親と、親を尊敬する子。子どもに、将来なりたいものはなに?と聞いてみてください。プロ野球選手や、ケーキ屋さん。仮面ライダーなんて答えもあるでしょう。将来なりたいものは、お父さんみたいな人!と言われるようにがんばりましょう。お父さんのように生きることを目指すなかで、結果的に、プロ野球選手にもなれるかもしれません 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王家の家訓と、生涯ただ1度のガッツポーズ

 

負けた相手のことを考えなさい(王家家訓より)  

王さんのインタビュー記事に、ガッツポーズをしなかった理由について述べた部分があります。

 野球は兄貴に教わりました。慶大医学部の野球部で「エースで4番」を務めるほど野球好きで、ひょっとすると私より素質があったかもしれません。忘れられないのは早実高1年の時です。宿敵・日大三高を完封してグラブを空へほうり投げて喜んだら「負けた相手の気持ちも考えろ」と説教されました。プロになって、あまり喜怒哀楽を表さなかったのは、この時のトラウマでしょうね。

 

現役時代の王さんは、本塁打を打った後、黙々とベースを廻ることで知られていました。長嶋さんが派手なガッツポーズをしていたのと対照的です。家訓にある【負けた相手のことを考えなさい】の一項のとおり、プロ生活を通じ、誰から指摘されるでもなく、兄の教えを忠実に実行してきた王さん、家訓とは自分との約束です。プロ野球選手としてはもちろん、誰からも尊敬される王さんを育んだものは、王家家訓であったことはまちがいありません。    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

王さんのプロ野球人生で、唯一となったガッツポーズを決めた試合は、世界記録を更新する756号を放った試合での出来事です。兄の言いつけを守ってきた王さんでしたがこの時ばかりは、ファンのために最初で最後の派手なポーズを決めたのでした。

 

試合終了後、世界記録を祝福するセレモニーが始まります。父・仕福さんと母・登美さんは、固辞するものの関係者にうながされるようにセレモニーにも登場する写真が残っています。両親の装いは、地味な普段着姿でした。仕福さんは最後まで「そんな晴れがましいことは…」といったんは躊躇していたと伝わっているものの、普段は、「いつも息子がお世話になっています」「悪いことがあったら叱ってやって下さい」二人は巨人の関係者と顔を合わせると、そう言って頭を下げるのが常だったが、この日も周囲に「ありがとうございます」の言葉を繰り返していたそうです。

 

世界記録の更新は、親不孝と自称する王さんにとって、父・仕福さんと母・登美さんへの最高の親孝行ではなかったでしょうか? 世界の王には、世界一の父ちゃんと母ちゃんがいたのです。王家に幸あれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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